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生態系・保全

日本の生態系を脅かす外来種問題:私たちにできること

どこでもいきものマップ 編集部

身近な川や公園に、もともと日本にはいなかった「外来種」が数多く暮らしていることをご存じでしょうか。アメリカザリガニやブラックバスも、実は日本の生態系に大きな影響を与えている外来種です。

この記事では、外来種問題の現状と生態系への影響、そして未来の自然を守るために私たちに何ができるのかを解説します。

そもそも外来種とは?

「外来種」とは、人間の活動によって他の地域から持ち込まれた生き物の総称です。そのうち、持ち込まれた先の環境に定着し、在来の生態系や私たちの暮らしに深刻な影響を与えるものを特に「侵略的外来種」と呼びます。ペットが捨てられたり、貨物に紛れ込んだりと、その侵入経路は様々です。

日本の外来種問題の現状

現在、日本には2,000種以上の外来種が生息すると言われます。ここでは代表的な3種を紹介します。

アメリカザリガニ: 1927年に食用のウシガエルの餌として持ち込まれ、今や全国の小川や田んぼに生息しています。水草や水生昆虫、魚の卵などを食べ尽くし、在来の水生生物を脅かしています。

ブラックバス(オオクチバス): 1925年に釣りの対象として放流されたのが始まりです。強い肉食性で在来魚を捕食し、多くの湖沼で生態系のバランスを崩しています。

セアカゴケグモ: 1995年に大阪で発見された毒グモです。港湾地域のコンテナ等に付着して侵入したと考えられています。メスは神経毒を持ち、咬まれると激しい痛みを伴うため注意が必要です。

これらの外来種は、在来種を捕食したり、生息場所を奪ったりするだけでなく、近縁種と交雑して遺伝的な独自性を脅かす「遺伝子かく乱」も引き起こします。また、農業被害や人的被害など、私たちの生活に直接影響を及ぼすこともあります。

私たちにできる対策

深刻化する外来種問題に対し、私たちに何ができるでしょうか。基本は「外来種被害予防三原則」です。

1. 入れない: 悪影響を及ぼすかもしれない外来種をむやみに日本に持ち込まない。

2. 捨てない: ペットは絶対に野外に放さず、最後まで責任を持って飼う。

3. 拡げない: 野外の外来種を他の場所に移動させない。

この三原則を心掛けることが第一歩です。さらに、自分の住む地域の自然に関心を持つことも重要です。

ここで役立つのが、GBIFのデータを活用したウェブサービス「どこでもいきものマップ」です。スマートフォンやPCから、全国の生き物情報を地図上で簡単に調べられます。アメリカザリガニなどの外来種の分布記録も検索可能です。

まずは「どこでもいきものマップ」で、身の回りにどんな外来種がいるか調べてみませんか。現状を知ることが、具体的な行動への第一歩となります。地域によっては外来種の駆除活動を行う団体もありますので、参加を検討するのも良いでしょう。


外来種問題は、私たちの暮らしに直結した環境問題です。豊かな自然を未来に残すため、まずは身近な自然に目を向け、問題を「自分ごと」として捉えることから始めませんか。一人ひとりの小さな行動が、日本の生態系を守る大きな力になります。